東京版 維新八策2025 個別政策集

Policy

改革の核心

1 都民の財布を取り戻す減税

東京維新の会は、個人都民税50%減税を掲げます。年間 6,225 億円の減税により、一人あたり平均 7.7 万円、毎月約 6,400 円があなたの財布に戻る提案です。食費の一部、子どもの習い事、家族との外食、あるいは将来への備えに——減税されたお金を何に使うか、行政が差配するのではなく、あなたのお考えに沿って決めていただくことができます。

行政が一度集めてから再び配る——この過程で膨大な無駄が生まれています。杉並区の例では、たった5万円を配るために6千円もの事務経費がかかっているのです。私たちは言います。最初から税金として集めなければ、この非効率は生じません。

減税で東京を変える——それは役所のための東京から、あなたのための東京への転換です。そして都民の手元に残した資金を、経済成長の原動力とし、また、行財政改革を促進し、さらに東京に住み続けるための都民への支援につなげます。

東京維新の会は、減税を実現する取組、あなたの自己決定権を高める戦いを始めます。

減税

1. 個人都民税の50%減税を実現し、年間6,225億円を808万人の納税者に還元します。

【減税がもたらす三つの変革】

2 家計から始まる成長戦略

私たちの減税政策は、数字が証明する確かな成長戦略です。名古屋市では5%の減税で市民所得が14.81%増加し、消費支出が5.94%伸びました。税金を役所が抱え込むより、あなたの財布に戻し、あなた自身の判断で使う方が経済を活性化させるのです

東京の可能性は無限大です。ニューヨークと肩を並べる国際金融都市としての地位を強化し、世界中の投資を呼び込みます。都有施設を開放し、次世代を担うスタートアップ企業を全力支援することで、東京をアジアのイノベーション拠点へと変貌させます。不要な公共事業ではなく、戦略的な民間投資を促進することで、国際水準の複合型リゾート施設が実現し、訪日観光客に新たな感動体験を提供します。モナコのF1グランプリのような世界が熱狂するスポーツイベントを民間主導で誘致し都市の活力を高め、規制緩和を通じて夜の東京の魅力を創出するナイトタイムエコノミーで24時間輝く都市へ。

東京の実力に光を当て、世界に評価される魅力を伸ばし、世界中から憧れを抱かれる都市へ――それは、私たちが共に実現する東京の新たな未来です。

行政が一度集めてから再び配る——この過程で膨大な無駄が生まれています。杉並区の例では、たった5万円を配るために6千円もの事務経費がかかっているのです。私たちは言います。最初から税金として集めなければ、この非効率は生じません。

減税で東京を変える——それは役所のための東京から、あなたのための東京への転換です。そして都民の手元に残した資金を、経済成長の原動力とし、また、行財政改革を促進し、さらに東京に住み続けるための都民への支援につなげます。

東京維新の会は、減税を実現する取組、あなたの自己決定権を高める戦いを始めます。

産業活性化と成長戦略

2. 国際金融都市としてリーダーシップを発揮するため、金融とテクノロジーを融合させ、都市間競争を勝ち抜く国際スタンダードの金融市場を整備します。

3. 都が保有する遊休施設を開放し、スタートアップ支援を強化することで、ユニコーン企業を育て、東京のシリコンバレーを創出します。

4. 大学発スタートアップへの戦略的投資と起業家教育をより一層強化し、産学連携によるイノベーション創出と次世代の起業家育成を促進します。

5. 都内消費活性化のために、都内産品の魅力を高めるブランド戦略を展開し、都内産農産物・工芸品・先端技術製品など幅広い分野の高付加価値化と国内外への販路拡大を一体的に支援します。

6. 都内飲食店の活性化と東京の食文化振興のため、デジタル化支援や人材確保対策を強化するとともに、都内飲食店の海外展開や国際的な食のイベント誘致を推進します。伝統的な江戸前料理から最先端のフードテックまでを網羅した食のイノベーション支援を通じて、地域の飲食産業振興と国際競争力強化を同時に実現します。

7. 事業承継の早期準備を促進するため、経営相談やマッチングを充実させ、事業主が直接的にメリットを受ける公的支援と経営者保証の解除を推進します。

8. 企業や自治体のテレワーク推進と事業継続計画の策定を促進し、必要最低限の人員でも業務が継続できる体制を構築します。

観光・エンターテインメント産業の振興

9. コロナ後の観光産業を立て直すため、地域に根付いた法人によるプロモーションを支援し、各地域の観光資源の魅力を最大限引き出します。

10. 世界最大級のエンタメイベントであるコミックマーケット等の開催を支援し、日本文化を世界に発信する拠点として東京の魅力を高めます。

11. 投資効果の高い都市観光資源の創出に向けて、民間主導の世界的スポーツイベントの都心開催や歴史的な都市景観の戦略的活用など、東京の魅力を最大化する大型プロジェクトの実現可能性調査を、行政コストを最小限に抑えながら戦略的に支援します。

12. 臨海部への統合型リゾート(IR)誘致の可能性を模索します。都市部の24時間観光推進により、東京を世界最高峰の国際観光都市へと発展させます。

13. ナイトタイムエコノミーを活性化するため、上野動物園ナイトサファリ化や美術館・博物館の夜間開館拡大、夜間イベントの規制緩和など、夜の東京の魅力を創出し、滞在時間と消費拡大を図ります。

14. 観光のDX化をより一層推進し、訪日客の行動データ分析やAI活用による多言語案内、デジタルチケットの普及など、テクノロジーを活用した快適な観光体験を提供します。また、AR/VRなどの先端技術を活用した新たな観光コンテンツの開発支援を強化します。

3 都政のムダを徹底解消

税金の使われ方が、東京の未来を決めます。現在の東京都政は、効果検証が不十分な事業や不要不急の補助金に年々膨張する税収を費やし続けています。この無駄を徹底的に解消するのが、私たち東京維新の会の改革です。

米国トランプ政権の政府効率化省を参考にした「東京版DOGE構想」を新設し、全事業をゼロベースで見直します。不要な事業は廃止し、必要な事業だけに予算を集中させることで、行政のスリム化と都民サービスの向上を両立させます。紙とハンコの時代から脱却し、デジタル技術とAIを活用した次世代型都庁で24時間対応の効率的な行政サービスを実現します。

そして、情報公開の質を「のり弁」から「日の丸弁当」へと変革します。これは隠すべき部分を黒塗りにした不透明な情報開示から、すべてを明らかにする徹底した透明性への転換です。都民のあなたが行政のすべてを知る権利を保障します。

都営交通・水道事業の民営化も実現します。民間の創意工夫を最大限に活かし、利用者目線のサービス向上とコスト削減を同時に達成します。

非効率な行政から効率的な行政へ。東京都政の完全なる透明化と徹底的なムダ削減——それは、私たちが共に実現する東京再生の第一歩です。

行政の効率化と組織改革

15. 米国トランプ政権の政府効率化省を参考にした「東京版DOGE構想」を新設し、「予算キャップ制」の導入や全事業の徹底的な見直し、外郭団体改革を断行します。

16. 事業ごとに成果指標を設定し、費用対効果を明確化する事業評価制度を強化し、効果の低い事業の見直しや廃止を進めます。

17. 東京都の政策連携団体(外郭団体)の見直しと統廃合を進め、都庁の役割をコア業務に集中し、民間でできる業務は民間へ移行します。

18. 区部と西多摩地域、区部と島嶼部など都内の二拠点居住を推進し、二拠点居住にかかる行政手続きの簡略化や拠点ごとの按分納税、オンライン投票など都にできる便宜を図ります。

都政のデジタル化と効率化

19. デジタルサービス局を中心に、都庁業務の完全デジタル化を推進し、メタバース上での執務環境を整備するとともに、都庁第二本庁舎を売却または民間に賃貸することで大きな財政効果を生み出します。

20. 東京アプリの機能拡充を前倒しで進め、2030年度末までにスーパーアプリ化を実現し、行政手続きの完全オンライン化を図ります。

21. AIとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用により職員の事務作業を削減し、データドリブン行政による意思決定の迅速化とコスト削減を推進します。

22. 行政サービスのデジタル化をさらに加速し、次世代AIを活用した24時間対応の行政アシスタントや来庁不要の完全バーチャル窓口の実現など、これまでの延長線上にない革新的なデジタル都庁を構築します。

23. オープンデータの活用をより一層推進し、都が保有するデータを企業や研究機関が利活用しやすい形で積極的に公開することで、新たなビジネスやサービスの創出を促進します。

情報公開と透明性の確保

24. 「都の情報は都民のもの」という原則を庁内に徹底し、黒塗りだらけの「のり弁」から完全公開の「日の丸弁当」を目指し、情報公開が習慣的に行われる仕組みを導入します。知事の公務日程と公用車の運行履歴についても翌日以降速やかに公開します。

25. 東京電力の大株主として徹底的な経営の透明性を求め、株主としての責任を果たします。

26. 都民が行政の無駄を指摘できるプラットフォームや「行政サービスの改善提案制度」を創設し、都民の意見を都政に反映させます。 

公共サービスの民営化・民間活用

27. 民間能力を十分に活用した公共サービスの提供を基本とし、都営交通や水道事業、都営住宅など公営企業の民営化を推進します。特に水道事業については、民営化水道会社が国際水メジャーを目指せるよう支援し、その利益を都財政に還元します。

28. 都市公園の活性化のために「公募管理設置制度」(Park-PFI)を活用し、都心区に限定せず多摩地域や島嶼部を含む都内全域の公園において、民間活力によってカフェなど収益施設の設置を促進し、公園の質向上と賑わい創出を実現します。

29. 都立図書館について、区市町村立図書館とは異なる広域的・専門的なハブ機能へと役割を再定義し、民間委託及び電子化を推進します。統治機構改革を見据え、専門資料の集約や区市町村立図書館の支援、デジタルアーカイブ構築など都としての固有機能に特化させつつ、官民連携で都民の集うコミュニティと生涯学習の拠点として新しい時代の図書館のあり方を構築します。

30. 公民連携によるユニークベニューの設備更新および活用を推進し、庭園美術館のモデルを他施設に展開するとともに、街路利活用の規制緩和を進めます。

31. 都庁食堂に日替わりで民間の出店を行い、飲食店のスタートアップを後押しするなど、都有施設の創造的活用を推進します。

議会改革

32. 特別区への権限・財源の移譲を進め、二重行政を徹底して取り除くなど都政が取り組む分野を絞り込んでいく過程を通じて、都議会議員の定数を 3 割削減します。

33. 制定される政治倫理条例の実効性を高めるため、第三者による監視機関の設置や透明性確保のための情報公開を徹底し、公正を疑われる金品授受や不当な口利きなどが決して起こらない都政の実現に取り組みます。

34. 議会基本条例の制定を目指すとともに、東京都議会委員会条例を改正し、委員会への委員及び職員のオンライン参加を柔軟に認めることで、効率的で開かれた議会運営を実現します。

4 住み続けられる東京の実現

東京から若い家族が消えていく——この危機的状況をご存知ですか?コロナ前は東京に流入していた30代・40代の子育て世代が、今では東京を離れ、郊外へと流出しています。2023年だけで30代が7,361人、40代が6,334人も減少。東京の未来を担うべき世代が、高すぎる住居費に耐えかねて東京を離れているのです。

私たち東京維新の会は、子育て世帯向け住宅に対して、容積率緩和・税制優遇・固定資産税の負担軽減という3点セットで強力に支援します。これにより、家族が暮らせる広さと質を備えた住宅の供給を増やし、子育てしながら東京に暮らし続けられることを応援していきます。

そして、都内には膨大な数の空き家・空き室が眠っており、これはもはや社会的な損失です。これらを流動化させると同時に、都営住宅のあり方も根本から見直します。既存の都営住宅を社会課題への対応に振り向けながら、老朽化した都営住宅の一部を民間に売却し、その収益を新たな住宅政策に振り向けます。「眠った資産」から「生きた資源」へと転換し、より多くの都民に住宅セーフティネットを提供します。

子育て世帯が安心して暮らせる住環境を整え、若者から高齢者まで、誰もが住み続けられる東京を創り上げる——それこそが私たちの目指す東京の姿です。

住宅政策

35. 80㎡以上の広さを持つ子育て世帯向け住宅開発に対して、容積率緩和・税制優遇・固定資産税の負担軽減という3点セットで市場メカニズムを活用した良質な住宅供給を促進します。

36. 子育て世帯の居住環境向上のため、「東京こどもすくすく住宅」認定制度を民間主導型に発展させます。

37. 若年世代やファミリー層に適した広い住宅の供給促進のため、都市計画規制の柔軟な運用と民間事業者の創意工夫を引き出す誘導策を実施し、現役世代向け住宅市場の活性化を図ります。

38. 既存住宅ストック活用のため、民間によるリノベーション事業を支援し、築年数が古いマンションや戸建ての改修に対する補助金や融資保証制度を拡充します。

39. 入居者の生活に配慮しながら、老朽化した都営住宅の一部を計画的に民間に売却します。

40. 現役世代の住宅取得支援のため、民間金融機関と連携した低利融資制度の促進や住宅ローン控除の拡充、住宅取得時の頭金として充てた資金の一部税額控除など、市場競争を促進しつつ経済的負担を軽減する仕組みを構築します。

41. ひとり親世帯や多子世帯など住宅確保要配慮者の居住安定のため、民間賃貸住宅への入居支援と家賃負担軽減のための税額控除制度を導入するとともに、都有地の定期借地権付き払い下げなどにより民間事業者による多様な住宅供給を促進します。

42. 中所得層の住宅確保支援のため、家賃保証制度の整備や不動産取得税の軽減など、市場メカニズムを活用した支援策を構築し、民間住宅市場へのアクセス改善を図ります。

43. 都内の空き家問題と住宅不足の同時解決のため、約90万戸の空き家・空き室を市場で流通させる規制緩和と民間事業者のリノベーション支援を行い、転勤族・単身赴任者・学生から観光客・ビジネス出張者の短期滞在まで、多様なライフスタイルと居住ニーズに対応した住宅として有効活用します。

44. 多子世帯の適切な住環境確保のため、民間事業者による広い居住面積を持つ住宅開発に対する容積率ボーナスや税制優遇を検討し、市場原理に基づいた多子世帯向け住宅供給を促進します。

45. 住宅取得・維持コスト軽減のため、不動産取得税・固定資産税の軽減措置拡充や子どもの人数に応じた段 7 階的な税額控除制度の導入を検討します。

46. 住宅市場の透明性・効率性向上のため、物件情報のデジタル化・標準化を推進し、AI・ビッグデータを活用した不動産テックへの民間投資を支援します。

47. 多摩地域への移住を促進するため、空き家を活用した若者のテレワーク環境整備を支援し、ベッドタウンからベッドステイタウン(住んで働ける街)への転換を図ります。

【東京を支える四つの基盤】

5 子どもの未来を支える教育・子育て環境の改革

出産から教育までの切れ目ない支援体制を構築します。出産育児一時金の上乗せ助成で出産時の経済的不安を軽減し、結婚支援や不妊治療支援など少子化対策の「川上」を強化するとともに、子育てと学業の両立など、より幅広い分野での挑戦と子育てとを両立していくあなたを応援します。保育の質を高めるとともに、多子や障害児の子育て、社会的養護を必要とするこどもの支援を強化します。価値観が多様化する社会を生き抜く力を育む、学校のあり方の改革にも積極的に取り組みます。デジタル技術をフル活用し、進学や大手企業への就職といった旧来の価値観のみに縛られることなく、こども達の可能性を最大限に引き出す教育へと近づけていきます。都内全域での教育バウチャー制度導入で教育機会の平等化を実現し、意欲と能力に沿った可能性をこども達が主体的に追求していくことを都を挙げて応援していきます。

出産支援

48. 出産できる病院の不足と高額な出産費用に鑑み、現在の出産育児一時金50万円に上乗せして東京都独自で助成し、出産時の経済的不安を軽減します。

49. 卵子凍結に係る費用助成について、技術的に確立している凍結胚と比較して融解卵子の妊娠率が著しく低いことに鑑み、プレコンセプションケアの機会創出に事業を位置付け、規模を大幅に縮小します。「いつか子どもを産みたい」という実現性の低い期待を与えるこの制度の見直しを図ります。

50. 体外受精等不妊治療の治療成績データを開示している医療機関を対象に、卵子凍結や凍結胚移植を含む高度生殖医療の技術革新を目指した技術開発の助成を行うなど、「いつか子どもを産みたいを叶える」における課題を実質的に解決する施策を提案します。それらを通じて未受精卵による妊娠率が有意に上昇したタイミングで、卵子凍結を補助する事業を出産支援の一環として再開します。

51. 妊娠・出産による学業中断を防止するため、高校における柔軟な時数管理や通信制活用など、子育て中の生徒が学業を継続できる教育環境を整備します。

子育て支援・児童福祉

52. 保育の安全性確保のため、都の第三者機関による抜き打ち監査制度を導入し、認可・認可外を問わずすべての保育施設の運営状況と事故情報を公開します。

53. 保育人材の確保と定着のため、都内保育士の給与水準を全国トップレベルに引き上げる補助制度を導入し、公私間・雇用形態間の格差解消を実現します。

54. 保育士が保育に専念できる環境づくりのため、都内保育施設のICT化と業務効率化を包括的に支援し、事務負担の大幅軽減を図ります。

55. 保育の質と安全性確保のため、民間企業の保育事業参入を促進しつつ、事故防止設備の導入費用を補助するとともに、保育士の研修強化と労働環境改善を図ります。

56. 就職後の早期妊娠・出産・育児がキャリア形成に不利になることのないよう、働くパパママ育業応援奨励金の拡充など、企業と子育て従業員双方への制度的支援を強化します。

57. 移動困難な妊婦や多胎児育児家庭の外出支援のため、都内のバスへのマタニティパスの導入と多胎児用ベビーカーの受入れ柔軟化を推進し、交通弱者に優しい公共交通環境を整備します。

58. 018サポート事業の行政コスト削減と利便性向上のため、マイナンバーカード連携による自動申請システム 9 を構築し、一括支給オプションも導入します。

59. 多子世帯の保育サービス利用拡大のため、複数児同時保育に対応したベビーシッター認証制度を創設するとともに、都のベビーシッター利用支援事業の複数時保育対応を可能とするなど、多様な保育ニーズに応える体制を整備します。

60. 子どもの運動機会確保と地域コミュニティ活性化のため、都立高校等の校庭・体育館を地域開放し、子ども団体が優先的に活用できる時間枠を設定します。

61. 医療的ケア児が身近な地域で保育を受けられるよう、看護師等を常駐させた「東京モデル医療的ケア対応型保育施設」を各区市町村に最低1か所整備します。

62. 障害児福祉サービスの利用における保護者の所得制限を撤廃し、障害のある全ての子どもが必要なサービスを受けられる環境を整備します。家庭の経済状況に関わらず、障害児の発達と自立を支援する制度を確立します。

63. 社会的養護を必要とする子どもの家庭的環境での成長を保障するため、里親登録制度の拡充と専門的支援体制を強化し、特に乳幼児の里親委託率50%以上を目指します。また、里親への経済的支援と研修機会の充実、レスパイトケアの整備により、里親家庭の継続的な養育環境を確保します。

64. 児童養護施設退所者向けに、都営住宅を定期利用として安価に提供し、自立を支援します。

65. 離婚後の子どもと双方の親との良好な関係維持のため、面会交流支援の拡充に向けてひとり親家庭支援センターはぁとの機能強化を進めます。

66. 養育費不払い問題の解決に向け、公正証書等で定められた養育費の立替払いと、支払い義務者からの確実な回収を行う養育費立替事業の実施を検討します。

結婚・家族形成支援

67. 少子化対策の基盤として、結婚を望む人々への実効性ある支援を行うため、自治体と連携した結婚相談所の活用促進など踏み込んだ支援策を展開します。

68. 結婚後の女性の社会的アイデンティティ継続を支援するため、都のデータベース上で旧姓併記を可能とし、国に対しても「維新版・選択的夫婦別姓制度」の導入を働きかけます。

69. 個人の尊厳と自己決定権尊重の観点から、特に自身の身体に関することについて自分自身で決定できる権利を社会的コンセンサスとする環境づくりを進めます。

教育改革・教育環境の整備

70. 教育無償化後の都立高校と私立高校の競争激化を踏まえ、都立高校を有名大学進学だけを目的としない多様な個性と可能性を伸ばす場とするため、職能獲得など特色あるカリキュラムの開発と高等専門学校機能の拡充を図ります。

71. 生徒の適性に合った高校選択の幅を広げるため、都立高校の併願受験制度を早期に導入します。

72. 教育機会の平等化のため、都内全域で教育バウチャー(塾代バウチャー)制度を導入し、家庭の経済状況に関わらず質の高い教育を受けられる環境を整備します。

73. 家庭の教育費負担軽減のため、学用品の学校配置とリユースを基本とし、リユース不適な楽器等の費用補助や校外学習費用の支援を行います。

74. 多様な教育ニーズに応えるため、都独自の規制緩和により公設民営学校の設置を促進し、特色ある学校づくりを通じて教育の質向上と選択肢拡大を図ります。

75. 都立高校では、ICT機器をフル活用した授業を展開します。教員の役割を、勉強を教えることから学級のマ 10 ネジメントへシフトし、学習については通学先の教員に限ることなく、自分にとって理解しやすい動画や生成AIを活用したアクティブラーニングを促進します。通学先の教員は個別フォローに集中して取り組めるよう、教員の働き方改革を東京都の立場でも一層推進していきます。

76. 教育のデジタル化推進のため、教育用デジタルコンテンツの開発・導入を支援し、学習進度や理解度に応じ個別最適化された学習を実現します。

77. 生徒への個別指導充実のため、校務のICT化や事務作業の効率化を徹底し、教員が生徒一人ひとりにきめ細かな指導・支援を行える時間的余裕を創出します。

78. 生徒の主体的学習能力向上のため、オンライン予習と教室での演習を組み合わせた「反転授業」を導入するとともに、国際バカロレア認定校を都立で5校、私立含め合計20校まで拡大し、グローバル教育を強化します。

79. 特定分野に秀でた才能の育成のため、理数・プログラミング・芸術分野における飛び入学制度を都立高校に導入し、世界で活躍できる人材を育成します。

80. 青少年の潜在能力発掘のため、10歳以上を対象とした「子ども起業塾」を開設し、学校教育では顕在化しにくい商才の喚起と困難家庭の子どもへの平等な機会提供を行います。

81. 子どもの心の健康を守るため、都内全公立学校にスクールカウンセラーの配置を拡充し、オンライン相談体制を整備することで24時間365日の相談対応を可能にします。いじめ・不登校・ヤングケアラーなど多様化する課題に、対面とデジタルの双方から専門的見地で支援する体制を構築します。

82. 学習効果向上のため、専門性を持った理学療法士を学校に配置し、児童生徒の身体特性に応じた適切な学習環境を整備します。

83. いじめ問題の抜本的解決のため、被害者保護と加害者指導の専門チームを都教委内に設置し、学校だけでは対応困難な事案に即時介入できる体制を整備します。

84. 不登校児童生徒の多様な学びの場確保のため、フリースクールへの財政支援を強化するとともに、出席扱いとなる要件を緩和し、個々の特性に合った教育機会を保障します。

85. 支援を必要としているすべての子どもが必要なときに適切な支援を受けられるよう、特別支援教室の利用対象や運営体制を柔軟に見直します。また、特別支援教室と通常学級、特別支援学級との連携を強化し、一人ひとりの状態やニーズに応じた、多様で継続的な学びの場を提供します。

86. 障害の有無や学習スタイルの違いに関わらず全ての児童生徒が適切な教育を受けられるよう、「学びのユニバーサルデザイン」を全校に導入します。

87. 特別支援学校の整備を加速化し、障害のある子どもたちの教育機会を確保します。

88. 障害児が社会的自立を目指せるよう、ICT機器の積極活用と人員配置の拡充により、特別支援教育の環境を改善します。民間専門家の活用と教員の専門性強化研修を組み合わせた効率的な人材育成システムを構築し、現場の負担軽減と指導の質向上を両立します。

89. 青少年の心身の健全な発達と安全を守るため、世界標準の包括的性教育を導入し、正確な知識に基づく人生設計をサポートします。

90. 教員の資質向上と負担軽減のため、研修プログラムの実践的内容への見直し、部活動の地域連携推進、休日出勤規制、事務業務の専門職への移管など包括的改革を実施します。

91. 社会人の学び直しと雇用の流動化促進のため、資格取得助成や東京都立大学でのリカレント教育、企業へのリスキリング時間確保インセンティブ付与、シニア雇用拡充などを総合的に推進します。

6 多様な個性が輝く都民本位の福祉基盤の確立

高齢者や障害者を支えられる側として捉えるのではなく、支える側の役割も選択できる東京へ。シルバー人材センターの機能を拡充し、従来の軽作業だけでなく専門職などホワイトカラー分野の求人も開拓することで、高齢者の経験と能力を社会に還元します。障害者の働く選択肢拡大のため、超短時間雇用の推進や分身ロボットを活用した遠隔勤務環境を整備します。その上で、支えられる時をより安心安全に迎えられるように、デジタル技術を活用し持続可能な医療・介護を追求します。持続可能性を高めていく観点で、不公正や不平等を徹底的に取り除くことを重視し、救急車等の医療資源の不適切な利用、外国人の医療費未払いや社会保険料滞納等の問題に関する取組を強化します。

高齢者支援

92. 高齢者雇用のミスマッチ解消のため、シルバー人材センターを機能拡充します。従来の清掃や軽作業などの肉体労働(ブルー・カラー職)だけでなく、事務職や専門職などの知的労働(ホワイト・カラー職)の民間求人も積極的に開拓します。さらに、税務署OBによる確定申告サポートや元教員による学習指導など、専門知識を活かした特化型サービスを展開し、高齢者の経験と能力を社会に還元する仕組みを構築します。

93. 独居高齢者の見守りにデジタル技術を活用し、IoTセンサーやAIによる健康状態・活動状況の可視化と緊急時の迅速対応を可能にする「デジタル見守りサービス」を全都で導入します。

94. 高齢者の「今日行く」「今日用」を支援するため、区市町村と連携してMaaS(Mobility as a Service)の速やかな導入を推進し、加齢とともに増加する移動の負担を軽減します。

95. 区市町村の集会施設等で住民が主体となって実施する趣味やレクリエーション活動に介護保険からの支出を可能とし、介護事業所の負担軽減と介護事業会計の持続可能性を高めます。

96. 高齢者のデジタルデバイド解消に向け、民間事業者と連携したシニア向けITリテラシー講座を展開し、行政手続きのオンライン化推進と同時に高齢者の情報アクセシビリティを向上させます。

97. 高齢者の孤立防止と社会参加促進のため、既存施設を活用した世代間交流プログラムを民間団体主導で実施し、行政の財政負担を抑えつつ高齢者の知識・経験を活かせる仕組みを構築します。

医療・介護

98. いわゆる「待機老人」問題の解消に向け、民間活力を活用した特別養護老人ホームの整備を加速させるとともに、入所基準の透明化と効率的な空き情報共有システムを構築し、真に必要な方への迅速な入所を実現します。

99. 医療・介護を成長産業と捉え、AI、DX、IoT、ビッグデータの技術を徹底活用した産学官連携での取り組みを推進します。

100. 地域包括ケアシステムを強化するため、多機能連携・地域マネジメント・予防医療を重視した体制を構築し、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる環境を整備します。

101. 医療・介護分野のDX推進のため、都内医療機関の電子カルテ標準化や電子処方箋の普及を支援し、医療情報のデータベース化を促進することで、効率的かつ質の高い医療提供体制を構築します。

102. 医療・介護サービスの生産性向上と適正化のため、都立・公社病院での業務効率化モデル事業を展開し、国に先駆けて医療従事者の負担軽減策を実証するとともに、都民への後発医薬品の使用促進や予防医療の強化により、医療費の増大抑制を図ります。

103. 東京都独自の社会保険料負担軽減策を模索します。具体的には、医師偏在対策の強化、中小企業向け社会 12 保険料補助制度の検討、給与明細への事業主負担分記載の推進などを通じて、都民と企業の負担軽減と社会保険財政の持続可能性向上を図ります。

104. 都内の医療・介護連携を強化するため、地域包括ケアシステムを支えるデジタル基盤を整備し、医療・リハビリ・介護・福祉の一体的なサービス提供を可能にする体制を構築します。

105. 健康寿命延伸のため、予防医療を重視したインセンティブ制度を導入し、定期検診受診者や健康増進に取り組む都民への支援を強化することで、医療費・介護費の抑制を図ります。

106. 無痛分娩の普及と安全性向上のため、都内の産科医療機関における麻酔科医の確保を最重点課題とし、麻酔科医への特別手当支給や当直体制の整備支援を実施します。また、産科と麻酔科の連携強化のためのモデル病院を各地域に設置し、無痛分娩に関する技術研修センターを創設することで専門人材を育成します。さらに、大学病院と連携した麻酔科医派遣プログラムを構築し、現行の補助金制度と組み合わせて都内全域での無痛分娩提供体制を確立します。

107. 救急医療体制の強化と最適化のため、電動ストレッチャーや自動心マッサージ機の導入による隊員の負担軽減、医療機関との情報連携を円滑化するデジタルシステムの構築、さらに地域の実情に合わせた出動体制の見直しを進めます。緊急性の低い事案に対する条件付き有料化の検討を含め、持続可能な救急体制を構築します。

108. 外国人患者への医療提供体制の適正化のため、都内医療機関における医療費未払いの実態調査を実施するとともに、外国人観光客の海外旅行保険加入促進と未払い防止策を講じ、医療機関の経営安定化と都民の負担増加防止を図ります。

109. 外国人の社会保険料未納対策として、納付率の調査・分析と効率的な徴収体制を構築するとともに、加入手続きの多言語化と周知徹底を図り、社会保障制度の公平性と持続可能性を確保します。

障害者支援

110. 公共施設や交通機関のバリアフリー化を加速するとともに、手話通訳や字幕即時表示等の情報保障を推進し、視覚・聴覚・知的・発達など多様な障害特性に対応した都市環境を実現します。

111. 障害者が一般企業で働けるよう、週20時間未満の超短時間雇用(ショートタイムワーク)の拡大を推進し、法定雇用率の算定に含めるよう国に働きかけます。また、職場環境整備に取り組む企業への低利融資制度を創設するとともに、福祉施設での工賃向上や受注拡大を支援し、障害者の経済的自立を促進します。

112. 障害者の就労選択肢を拡大するため、リモートワークを前提とした就労支援制度を確立します。現状では通所に限定されている就労継続支援事業等の報酬体系を見直し、在宅でのリモートワークにも対応した柔軟な支援体制を構築します。

113. 都庁における障害者・難病者採用を積極的に推進し、採用枠の拡大や職域の多様化を図ります。また、分身ロボットなどの先端技術を活用した遠隔勤務体制を構築し、身体的制約があっても働ける環境を整備します。

114. パラスポーツの普及と競技力向上のため、都立スポーツ施設のバリアフリー化を加速するとともに、障害者スポーツ専用トレーニング施設の整備を進めます。また、学校教育におけるパラスポーツ体験プログラムを拡充し、障害の有無に関わらず誰もが参加できるインクルーシブなスポーツ環境を構築します。

115. 国際大会に挑戦する都内パラアスリートの育成・強化を支援するため、専門コーチの配置や最新トレーニング機器の導入を進めます。また、2025年秋に開催予定のデフリンピックに向けた都内選手の強化支援と大会への機運醸成を図り、障害者スポーツの国際的な活躍を後押しします。

人権・多様性

116. 性の多様性が尊重されると同時に、そっとしておいてほしい当事者にも寄り添う東京を目指し、ジェンダー平等と多様性の尊重に取り組みます。

117. 自殺防止施策を抜本的に見直し、自殺関連の単語をインターネット検索した際に都の相談窓口を表示させるなど、受け待ち型からプッシュ型の対策へとシフトします。

118. 8条図書指定制度の見直しを進め、審議会の公正性と透明性を高めるため、発行責任者が意見を表明できる仕組みを導入するとともに、実効性の検証を行います。

119. 将来的には、行政が表現の自由を審査する仕組みを見直し、青少年健全育成審議会の廃止を視野に入れつつ、将来的には業界の自主規制に任せる為の議論を先導します。

動物福祉

120. 動物虐待や不適切な飼育に迅速に対応するための「アニマルポリス」を設立し、動物の命と権利を守ります。

121. 真の動物殺処分ゼロを目指し、飼い主不明猫への避妊去勢手術サポート体制を区市町村と連携して構築するとともに、高齢や健康上の理由で飼育困難になったペットの譲渡支援や地域での相談体制を確立します。

122. 都心区に限定せず多摩地域や島嶼部を含む都内全域の都立公園にドッグランを整備推進し、ペットと共生する都市環境を実現します。

7 都市の魅力と機能を高める基盤整備

東京の潜在力を最大限に引き出し、世界をリードする都市へと進化させます。都営地下鉄の民営化で効率的な運営と利便性向上を実現するとともに、デジタル技術を活用した公共交通の利用分散化や新たなモビリティの導入促進など、誰もが快適に外出できる都市への進化を目指します。東京の川や海の水質改善を含む水辺空間の再生と舟運活性化により東京の新たな魅力を創出します。また、「トーキョー・シャンゼリゼ計画」で歩行者中心の都市空間を創造し、自転車の活用も促進。長期未着手の都市計画道路の見直しと無電柱化の加速、農ある暮らしを含む緑被率向上の施策等を通じて、美しい街並みを形成します。

交通

123. 都営地下鉄の民営化を進め、効率的な運営と利便性向上を実現します。将来的には東京メトロとの連携強化を図り、利用者目線での運賃体系の最適化を目指します。

124. 高齢者福祉の公平性と持続可能性を確保するため、一部の高齢者に限定的な恩恵を与えるシルバーパス制度を廃止し、すべての都民が公平に利用できる運賃体系と最適化された交通サービスの実現を目指します。

125. 城東エリアの懸案である新金線の旅客化を強力に推進し、地域住民の交通利便性向上を図ります。

126. 都内交通ネットワーク強化のため、BRT(バス高速輸送システム)を主要区間に導入し、既存の道路空間を活用した効率的な輸送システムを構築します。

127. 都内全域における電気バスやハイブリッドバスなど低環境負荷型都バスの導入を推進し、停留所へのベンチ・屋根設置を加速します。民間バス事業者の路線維持のための規制緩和や経営効率化支援を行い、持続可能な公共交通サービスの維持に向けた環境を整備します。

128. 混雑時間帯に応じた変動運賃制を導入し、公共交通の利用分散化を促進します。駅周辺のシェアサイクルを都内全域で拡充し、多様な移動選択肢を確保することで、利用者目線の交通体系を構築します。

129. 都心への高速自転車レーンを整備し、自転車通勤の安全性と快適性を高めます。自転車通勤時の事故を労働災害保険の対象とする企業への優遇措置を新設し、満員電車の解消と環境負荷軽減を図ります。

130. 市場原理を活かした民間事業者によるシェアサイクル運営を支援し、地域交通の多様化を図ります。駅を拠点とした短距離移動の効率化により、生活者中心の回遊性の高い都市空間を創出します。

131. 自動運転技術の確立に向け、都内での実証実験を積極的に後押しし、技術開発と社会受容性の向上を図ります。次世代モビリティやライドシェアの導入を促進し、誰もが自由に移動できる環境を整備します。

132. 多摩地域や島嶼部など交通不便地域の移動手段確保に向け、オンデマンド交通やモビリティサービスの導入を支援します。交通格差の解消により地域の活力を維持し、誰もが住みたい場所に住み続けられる東京を実現します。

133. 規制緩和により、新しい多様なモビリティで免許返納後の高齢者や妊産婦、障害者等の移動支援を行い、誰もが外出しやすい環境を整えます。移動の自由を確保することで社会参加を促進し、活力ある共同体を維持します。

134. 首都圏空港の機能強化及び利用者の利便性向上のため、羽田空港と成田空港の運営一元化と民営化を国に対して積極的に働きかけます。東京の国際競争力強化に不可欠な空港インフラの最適化を推進し、都として可能な支援・連携策を実施します。

水辺・港湾

135. 湾岸観光まちづくりを推進するため、お台場から日本橋川、神田川にかけての桟橋設置個所の増大や羽田から中央桟橋へのインバウンド向けホバーフェリーの運航など、舟運活性化に取り組みます。東京の運河や水路を活かした水辺空間の再生を進め、新たな観光資源として魅力を高めます。

136. コロナ禍から復活を遂げ旺盛な需要があるクルーズ船を受け入れるため、大型旅客船ターミナルの活性化を図ります。スーパーコンテナ船の受け入れを可能にする港湾整備を進め、国際ハブ港としての東京港の競争力を高めます。

都市基盤整備

137. 「トーキョー・シャンゼリゼ計画」を策定し、銀座や表参道などのウォーカブル化を推進します。駅まちづくりと15分生活圏の確立により、歩いて暮らせる都市空間を創出し、都市の魅力と活力を高めます。

138. 長期未着手の都市計画道路について必要性を再検証し、社会情勢の変化に応じた見直しを行います。同時に都内全域における無電柱化を加速推進し、安全で美しい街並みを形成します。

139. 地域発意のボトムアップ型都市政策を推進するため、既存の公共施設を活用した官民連携のまちづくりプラットフォームを構築します。新たな施設整備に頼らず、デジタル技術も活用しながら地域課題解決のためのエリアマネジメントを支援し、住民主体の都市計画を実現します。

140. 社会経済情勢の変化に対応した柔軟な都市開発制度を構築し、広域と地区レベルの計画を一体的に考える仕組みを導入します。民間投資を適切に誘導しながら、効率的かつ持続可能な都市発展を実現します。

141. 景観行政の充実に向け、意匠性のある街路灯設置を促進する制度の検討を開始します。美しい夜間景観の創出により東京の魅力を高め、都市観光の資源としても活用します。

次世代インフラ

142. 都市水システムの再構築に向け、取水地点の上流化・分散化と水力発電の推進、水源周辺地域の土地利用規制を実施します。安定した水供給と災害時の強靭性を確保し、持続可能な水インフラを構築します。

143. 新下水道ビジョンを改定し、グリーンインフラの整備や雨水スマート化を推進します。都市の防災性向上と環境負荷低減を両立した次世代下水道システムへの転換を図ります。

144. 物流のDX化を最優先に進め、FAXや紙の帳票に依存したアナログな仕組みを刷新します。荷役業務の効率化を図り、デジタル化による生産性向上と国際競争力の強化を実現します。

145. 宅配ボックス設置の助成やスマート置き配の推進により、再配達削減と居住者の利便性向上を図ります。多摩地域対策として移動販売への支援を行い、買い物弱者対策を強化します。

146. 高度成長期以降に整備したインフラの老朽化対策について、ドローンやAI、IoTなど最新技術の活用によるメンテナンスの高度化・効率化を推進します。同時に、利用実態に合わせたインフラの集約や活用度合いの低い施設の廃止も視野に、財政負担の軽減と持続可能な都市経営を実現します。

147. 埋設インフラの老朽化対策を強化し、下水道管の検査結果をダッシュボード化して地域住民への情報開示を進めます。小型ドローンによる下水道管内の検査を推進するとともに、今後の更新では汚水と雨水を分ける分流式を原則とし、100年計画で東京の水環境を改善する第一歩を踏み出します。

148. 5G/6G等の次世代通信インフラの整備を加速し、都内全域でのデジタルデバイドを解消します。公共施設や交通インフラへの通信環境整備により、場所を選ばない働き方や暮らしを支える基盤を構築します。

土地・農地活用

149. 土地の価値向上に向けたエリアマネジメントを推進し、地域が主体となった都市環境の維持・向上の仕組みを構築します。エリアマネジメント組織の財源確保策として、都市計画税の一部還元などを検討し、民間の自主的な取り組みを後押しします。

150. 低利用・未利用の都有地を積極的に民間に開放し、定期借地権の活用や不要資産の売却を進めます。公共施設の複合化や集約化により財政負担を軽減しつつ、民間の創意工夫を引き出す土地活用で都市の魅力と価値を高めます。

151. 土地家屋調査士データの活用による地籍データ化を推進し、国土調査未実施による売買時の財産棄損の課題を解消します。不動産取引の円滑化と土地の有効活用を促進します。

152. 生産緑地の保全と有効活用のため、「農ある暮らし」の推進と都市農地貸借の円滑化を図ります。田園住居地域の指定拡大や農業への民間参入促進により、都市における農業の持続可能性を高め、地産地消の拡大と災害時の食料供給機能を強化します。

153. 東京のモノづくり技術と農業を融合させるため、スマート農業の実験的取り組みを推進します。IoTやAIを活用した都市型農業の新たな可能性を開拓し、地域内での生産・消費の循環を強化します。

環境・持続可能性

154. 海の水質改善に向け、ブルーカーボンの推進、分流式下水道の導入、用途地域の見直し、水再生センターの短期竣工などに取り組みます。日本橋川・神田川の水質改善と賑わい創出のため、浮島植生による水質浄化を進めます。

155. 脱炭素社会や気候変動対策として、街区単位での環境マネジメントの制度化やエコディストリクトの推奨により、面的なエネルギー最適化と環境負荷低減を実現します。断熱性能の基準強化により、省エネと健康増進の両立を図ります。

156. エネルギーの地産地消、マイクログリッドの推進に向け、次世代型ソーラーシステムの早期実装を支援します。災害時にも自立可能なエネルギー供給体制を構築し、レジリエントな都市機能の実現を目指します。

157. 緑被率の算定方法を見直し、エリアでの緑化マネジメントを導入します。可変的な緑の設置を促進し、限られた都市空間での効果的な緑化を推進します。多摩地域では自伐型林業の推進、混合林の再生など、持続可能な森林政策を展開します。

8 災害と犯罪に負けない強靭な安全都市の構築

都民の生命と財産を守る、世界一安全な都市東京を実現します。首都直下地震や豪雨災害などの多様なリスクに備え、建物の耐震化・不燃化を進めるとともに、ドローン活用の救援物資輸送と在宅避難環境整備で避難所過密を解消します。警察行政手続きの完全デジタル化で都民の利便性を向上させ、特殊詐欺対策へのAI技術活用や歩きたばこ対策など、安全で快適な都市環境を築きます。

防災対策

158. 感染拡大局面での災害を想定し、都の防災計画や避難所運営を全面的に見直します。一部を除く都立施設の避難所開設指揮を基礎自治体に全面的に委譲し、段ボールベットの備蓄の増加、ペット同行避難対策等きめ細やかな対策を行います。

159. 東京都と都内全自治体がデジタル会議でいつでもつなぐことができる環境を整え、災害対策等の情報交換を瞬時に行える体制を構築します。3D都市モデルを活用し、災害時に滞留が想定される箇所を割り出して効果的な危険除去を進めます。

160. 被災時の電波・電源環境を守るため、充電環境を水や食糧等の支援物資と同様に避難所等で早期に供給できる体制を構築します。また、マンホールトイレの設置整備補助やプライバシー確保用テントの購入補助、蓄電池整備の補助金拡大、ペロブスカイト太陽電池の早期実用化を目指した支援を推進します。

161. ドローン等を活用した救援物資輸送をシステム化し、避難所の過密状態を緩和するための選択肢として在宅避難の環境整備を進めます。また、無電柱化を推進するとともに、交通の要所にIoTセンサーを設置して街の混雑状況をリアルタイムで可視化し、効果的な人流分散を実現します。

162. 広域消防本部の機能を強化し、地域の実情に合わせた効率化を図ります。昭和25年から抜本的改正が行われていない消防組織法について、国に対して改正を働きかけるとともに、現行制度内でも将来を見据えた消防組織の適正規模と効率的な運用体制の構築を推進します。

163. 大規模災害に備え、消防操法大会の見直し等、より実践性を重視した訓練及び消防団体制を構築します。消防団には多言語対応や様々なマイノリティーへの配慮ができるよう多様な人材の登用を進め、地域の実情や抱える課題に現実的な対応ができる体制を整備します。

164. 消防団の魅力化に向け、報酬の見直し、装備品支給のポイント制などによる合理化、地域から消防団を支える団体に対するインセンティブの付与など細やかな改革を通じて優秀な人材の獲得と維持を図ります。

165. 救命講習受講証のデジタル化や、位置情報システムとの連携により、要救助者に有資格者がスムーズにアクセスできる仕組みづくりを推進します。AED GOなどのアプリ普及を通じて、大規模災害時にも誰もが誰かを救える相互扶助体制の構築に努めます。

166. 迅速で正確な災害情報伝達を目指し、警察無線と行政無線の共通運用チャンネルの確保、大規模マンションへのデジタルサイネージ設置を推進するなど、普段から行政情報を身近に浸透させる施策を通じていざという時に備える設備強化を進めます。

167. 首都直下型地震、激甚化する豪雨被害、富士山噴火による降灰対策など、首都東京の多様な災害リスクに備えるため、建物の耐震化・不燃化、延焼遮断帯となる都市計画道路の整備を積極的に推進し、地震の際も燃え広がりにくい東京を目指します。

168. 豪雨被害対策として、地下調節池や貯留施設の整備を引き続き推進します。地上部に設置する施設には、みどりの確保と地域貢献要素を付加することを原則とし、巨大地下調節池の観光資源としての活用も促進します。グリーンインフラや透水性舗装の積極活用でレジリエントな都市構造を実現します。

169. あらゆる災害に共通する対策として、震災救援所や避難所をスフィア基準に適合させる区市町村の取組みを支援します。また都内に複数箇所、ペットとの同伴避難、同室避難が可能な避難場所を整備します。

防犯・安全

170. 警視庁の行政手続きを抜本的に改革し、落とし物検索に続き各種手続きのデジタル化を推進します。車庫証明申請にはGISを導入して添付書類を不要化し、確認員のタブレット端末との同期により確認業務の合理化を図り、手数料の引き下げにつなげます。

171. 免許証更新のオンライン講習対象拡大など、各種手続きで警察署に行かなくても済むよう改革を進めます。経済犯罪対策として、特殊詐欺対策に重点を置き、録音機器の貸与やAIを活用した自動探知システムなどの技術開発・実装を進めます。

172. 公共交通乗り場の周辺や都内の公園を原則禁煙とし、公衆喫煙場所は原則コンテナ型での設置となるよう、補助や規制のあり方を見直します。区市町村が公衆喫煙場所を設置する際の都補助について、営利性の排除などの合理性に乏しい規制を廃止します。

173. デジタル技術を活用した歩きたばこ防止策について研究し、実用段階で導入を目指します。また、歩きたばこ対策の実効性を高めるための条例強化を検討し、受動喫煙ゼロの東京を実現します。

174. パチンコ店に対する都独自の規制強化を進め、現状の曖昧な法的位置づけを都レベルで明確化します。営業時間の制限強化や未成年者への厳格な対応、依存症の実態調査など、都として可能な対策を講じるとともに、国に対してもパチンコの法的位置づけの明確化を積極的に働きかけます。

【改革の出発点】

0 統治機構改革

日本で唯一特別区制度を導入している東京都では、都と区のあり方や役割分担が長年議論されてきました。現状は「東京都ファースト」の発想のもと、細やかな福祉や住民サービスの方向性の多くが都の政策方針で決定され、住民に近い基礎自治体である区市町村の自主性が制限されています。また、2658村と東京都の間にも、23区との財政力の違いなどにみられる仕組み上の課題が存在します。

東京維新の会は、「ニアイズベター」の理念に基づき、「区市町村ファースト」への発想の転換を進めます。都区のあり方検討委員会幹事会で区に移管する方向で整理された53事務の速やかな移管を進め、都市計画決定権限や教職員人事など住民に身近な事務は区市町村が担うべきと考えます。特別区財政調整交付金の配分割合を区70:都30程度に見直し、ブラックボックスである特別交付金の割合も2%以内に引き下げます。市町村にも権限と財源を移譲し、市町村総合交付金の透明性と自由度を高めることで、特別区と均衡ある発展を実現します。

また、区域再編や特別市制度など、既存の枠組みにとらわれない自治制度改革も検討します。東京都は経済政策や観光振興、インフラ整備など広域的政策に集中し、教育、保育、高齢者福祉など住民に身近なサービスは区市町村が担う新たな統治機構を構築することで、東京と日本の更なる発展を目指します。

特別区への権限・財源の委譲

170. 警視庁の行政手続きを抜本的に改革し、落とし物検索に続き各種手続きのデジタル化を推進します。車庫証明申請にはGISを導入して添付書類を不要化し、確認員のタブレット端末との同期により確認業務の合理化を図り、手数料の引き下げにつなげます。

171. 免許証更新のオンライン講習対象拡大など、各種手続きで警察署に行かなくても済むよう改革を進めます。経済犯罪対策として、特殊詐欺対策に重点を置き、録音機器の貸与やAIを活用した自動探知システムなどの技術開発・実装を進めます。

172. 公共交通乗り場の周辺や都内の公園を原則禁煙とし、公衆喫煙場所は原則コンテナ型での設置となるよう、補助や規制のあり方を見直します。区市町村が公衆喫煙場所を設置する際の都補助について、営利性の排除などの合理性に乏しい規制を廃止します。

173. デジタル技術を活用した歩きたばこ防止策について研究し、実用段階で導入を目指します。また、歩きたばこ対策の実効性を高めるための条例強化を検討し、受動喫煙ゼロの東京を実現します。

174. パチンコ店に対する都独自の規制強化を進め、現状の曖昧な法的位置づけを都レベルで明確化します。営業時間の制限強化や未成年者への厳格な対応、依存症の実態調査など、都として可能な対策を講じるとともに、国に対してもパチンコの法的位置づけの明確化を積極的に働きかけます。

市町村支援と広域制度改革

179. 市町村総合交付金について、市町村の意見を反映させ、透明性と自由度を高める不断の改革を進め、特別区と一定の均衡ある発展を実現できる交付額水準を確保します。

180. 東京都が特別区に求めている区域の再編についても、聖域なく検討し、効率的で住民サービスを向上させる最適な行政区域を模索します。

181. 海外の大都市制度に見られる特別市など新たな自治制度についても研究し、東京の成長・発展が日本全体の発展につながる統治機構を構築します。